▼目次
1. 部分入れ歯と総入れ歯の違いとは?入れ歯の種類とその特徴
2. 部分入れ歯は何本から?1本からでも作れる?
3. 部分入れ歯から総入れ歯に切り替えるタイミング
4. 入れ歯の手入れ方法と長持ちさせるためのポイント
歯を失ったことで生じる問題は、見た目や発音だけではありません。噛む力が低下し、消化機能にも影響を与えることがあります。また、歯がない部分に他の歯が移動し、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすこともあります。
そこで、歯を補うための治療法として「入れ歯」があります。
今回は、部分入れ歯と総入れ歯の違い、部分入れ歯を何本から作成できるのか、また部分入れ歯から総入れ歯へ切り替えるタイミングについて詳しく解説します。
1. 部分入れ歯と総入れ歯の違いとは?入れ歯の種類とその特徴
入れ歯には大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2種類があります。
それぞれの特徴や使用される場面を確認しましょう。
部分入れ歯
部分入れ歯は、1本以上の歯を失った際に、失われた部分だけを補うための入れ歯です。周囲に残っている健康な歯に「クラスプ」と呼ばれる留め金を使って固定します。これにより、しっかりとした安定性を保ちながら、失った歯の機能を回復します。部分入れ歯は1本からでも作成が可能で、手軽に咀嚼機能を取り戻せるため、幅広い年齢層の患者さんに利用されています。
総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に使用される入れ歯です。上顎や下顎の歯茎全体にフィットし、吸着力や密着性を利用して固定します。総入れ歯は、噛む力や発音を改善します。すべての歯がなくなった場合の治療法として、総入れ歯は生活の質を向上させる手段となります。
総入れ歯と部分入れ歯のいずれを選ぶにしても、定期的な調整や清掃が欠かせません。自分に合った入れ歯を選び、しっかりとしたメンテナンスを行うことで、長期間にわたって快適に使用できるでしょう。
2. 部分入れ歯は何本から?1本からでも作れる?
部分入れ歯は、歯を1本だけ失った場合でも作成可能です。失った歯の本数に応じて、入れ歯の設計が変わります。
では、具体的にどのようにして1本だけ失った場合の入れ歯が作られるのかを見ていきましょう。
1本の歯を失った場合
単独の歯の欠損は、部分入れ歯で補うことができます。これにより、周囲の歯を保護し、咀嚼機能を回復できます。
例えば、前歯を1本失った場合、審美的な問題だけでなく、発音や噛む機能にも影響が出るため、早めの治療が求められます。
また、1本だけの部分入れ歯には、「ノンクラスプデンチャー」も選択肢としてあります。この入れ歯は、金属フックを使用しないため見た目が自然で入れ歯だと気づかれにくいのが特徴です。特に前歯のような目立つ部分にはおすすめの選択肢です。
数本の歯が欠損している場合
複数の歯が失われた場合でも、部分入れ歯を作成することで、自然な見た目を保ちつつ、噛む力を回復できます。
部分入れ歯を作成する際には、患者さんの歯並び、歯茎の状態、残っている歯の強度を考慮して設計されます。
また部分入れ歯は、歯の欠損範囲が小さい場合に適した治療法ですが、インプラントと組み合わせることで、入れ歯の安定性が向上し、より快適な使用が可能になることもあります。
3. 部分入れ歯から総入れ歯に切り替えるタイミング
部分入れ歯を使用している方にとって、総入れ歯への切り替えは大きな決断です。
切り替えのタイミングは、個々のお口の状態や健康状態によって異なるため、慎重に判断する必要があります。
以下の状況では、総入れ歯への移行を検討することが重要です。
残存歯が少なくなった場合
部分入れ歯を使用している間に、歯周病やむし歯によって残存する歯が失われることがあります。残存歯が少なくなると、部分入れ歯の安定性が低下し、食事や会話が困難になることもあります。このような場合、総入れ歯への切り替えが考えられます。
口腔内の変化
加齢やその他の健康問題により、口腔内の状況は変わります。
特に、歯周病やその他の疾患が進行すると、歯の健康が悪化し、部分入れ歯では対応できなくなることがあります。
このような場合、歯科医師と相談の上、総入れ歯への切り替えを考えることが必要です。
切り替えを決定する際には、歯科医師に口腔内の状態を診断してもらいましょう。
4. 入れ歯の手入れ方法と長持ちさせるためのポイント
入れ歯を長持ちさせるためには、日々の手入れが重要です。適切なケアを行うことで、入れ歯の清潔さを保ち、快適な使用感を維持できます。
①毎日の清掃
入れ歯は、使用後に専用のブラシを使って清掃し、口腔内の細菌や汚れを取り除きましょう。特に、食べ物のカスが残りやすい部分をしっかりと磨くことが大切です。
➁入れ歯専用洗浄剤の使用
水洗いや歯磨きだけでは除去できない汚れや臭いを取り除くために、専用の洗浄剤を使用することが推奨されます。入れ歯専用の洗浄剤を使って定期的に洗浄し、入れ歯を清潔に保ちましょう。
③保管の際の保湿
入れ歯を外している間は、乾燥させないように保管することが重要です。入れ歯は乾燥すると変形する可能性があるため、専用のケースに水を入れて保管することを推奨します。特に長時間入れ歯を外す際には、水に浸しておくことで入れ歯の状態を保つことができます。
④定期的な調整とメンテナンス
入れ歯は時間とともに歯茎や骨の変化によりフィット感が変わります。定期的に歯科医院でのチェックを受け、適切な調整を行うことで、入れ歯の寿命を延ばし、快適に使用し続けることができます。
入れ歯は、失われた歯を補い生活の質を高めるための一つの重要な手段です。適切な種類の入れ歯を選び、使用を開始するタイミングを見極めることで、より快適な日常生活を送ることができます。入れ歯に関する選択は、自分の生活スタイルや健康状態に合わせて最も適したものを選ぶことが大切です。
ファミリーとシニアの歯科医院 イオン福島診療所では患者さんが安心して治療を受けられるようサポートいたします。入れ歯に関するお悩みやご相談は気兼ねなくお申し付けください。
監修
ファミリーとシニアの歯科医院 イオン福島診療所
院長・歯科医師 山下 敬太