▼目次
1. 入れ歯の着色汚れ・黒ずみの原因
2. 入れ歯の黒ずみを防ぐためのケア方法
3. 入れ歯をお手入れする際の注意点
入れ歯は、失った歯の代わりとして非常に重要な役割を果たしますが、長期間使用していると黒ずみが発生することがあります。これは見た目や衛生面で気になる問題です。今回は、入れ歯の黒ずみの原因、取り除き方、さらに予防方法について詳しく解説します。
1. 入れ歯の着色汚れ・黒ずみの原因
入れ歯の黒ずみは、見た目だけでなく、衛生面や口腔内の健康にも影響を与える可能性があります。この黒ずみの原因はさまざまですが、主に以下の原因が考えられます。
①食べ物や飲み物の着色
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどの着色性の高い飲食物は、入れ歯の表面に色素を付着させることがあります。特に、長期間にわたってこれらの飲み物や食べ物を摂取することで、黒ずみが蓄積しやすくなります。
②タバコのヤニ
喫煙によるタールやニコチンの影響で、入れ歯が黄色や茶色に変色し、それが進行して黒ずみへと変わることがあります。特に、長期間喫煙している方は、この問題が起きやすいです。
③プラークや歯石の付着
入れ歯も歯と同様に、適切なケアを怠るとプラークや歯石が付着します。これが硬化してくると、黒ずんだり、茶色っぽい汚れが落ちにくくなり、見た目に悪影響を与えるだけでなく、口臭の原因にもなります。
④細菌やカビの繁殖
入れ歯の素材や表面の小さな傷に細菌やカビが繁殖することで、黒ずみが発生することもあります。特に、夜間に入れ歯を外さずにそのまま使っている場合や、入れ歯の保管方法が不適切な場合に発生しやすくなります。
2. 入れ歯の黒ずみを防ぐためのケア方法
入れ歯の黒ずみを防ぐためには、日々のケアがとても重要です。
以下の方法を行うことで、黒ずみの予防が可能です。
①入れ歯用ブラシでのケア
入れ歯は、天然の歯と同様に毎日のブラッシングが必要です。入れ歯用ブラシや硬めの歯ブラシを使用し、入れ歯の表面や留め金の部分を優しく磨くことで、プラークや食べ物の汚れを効果的に除去できます。
②食後は必ず洗浄する
食事後は必ず入れ歯を外して流水で洗い流しましょう。これにより、黒ずみの原因となる食べ物のカスや細菌の繁殖を防ぐことができます。
③着色しやすい飲食物を控える
コーヒーや紅茶、ワイン、カレーなど、着色性の高い飲食物を過剰に摂取すると入れ歯が着色しやすくなります。着色しやすい食べ物や飲み物を控え、食後にしっかり洗浄する習慣をつけることで着色の予防ができます。
④歯科医院での定期的なクリーニング
歯科院院では、入れ歯をクリーニングしてもらうことができます。プラークや歯石を取り除いたり、専用の薬剤を使用し、超音波の洗浄機にかけることで入れ歯をきれいにすることができます。歯石などの頑固な汚れも除去できます。
⑤入れ歯を長時間装着しない
入れ歯を長時間装着することで、細菌が繁殖しやすくなり、黒ずみの原因となることがあります。
就寝時には入れ歯を外し、乾燥させないために、必ず水や洗浄液に浸けて保管しましょう。
⑥入れ歯洗浄剤を使用する
入れ歯洗浄剤を使用することで、着色汚れや黒ずみを予防できます。部分入れ歯用なのか総入れ歯用なのかで使用する製品が変わるため、適切に選びましょう。
3. 入れ歯をお手入れする際の注意点
誤った方法でのお手入れは、入れ歯を傷めてしまうこともあります。
ここでは、入れ歯のお手入れの際に注意すべきポイントを解説します。
①熱湯で洗浄・消毒しない
入れ歯は、高温に弱い素材でできているため、熱湯を使用して洗浄すると変形してしまうことがあります。特にプラスチック部分は、熱により縮んだり、歪んだりする可能性があるので、必ず常温またはぬるま湯で洗浄するようにしましょう。
②研磨剤入りの歯磨き粉を使わない
研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、入れ歯の表面に細かい傷がついてしまうことがあります。傷がつくと汚れが付きやすくなり、黒ずみや着色の原因となります。入れ歯専用の洗浄剤やフォームを使用し、やさしく磨くよう心掛けましょう。
③入れ歯用ブラシの選び方に気を付ける
入れ歯を洗浄する際に使用するブラシは、なるべく専用の入れ歯ブラシを選びましょう。専用のブラシは、入れ歯の複雑な部分を隅々まで磨くことができます。
④専用の薬剤を使用する
市販の漂白剤は、入れ歯の素材を傷めてしまうことがあります。特に、金属部分がある入れ歯の場合、錆びや腐食の原因となることもあります。必ず入れ歯専用の洗浄剤を使用し、化学的に強すぎる成分が含まれたものは避けましょう。また、入れ歯用洗浄剤を使用した後は、しっかりと水ですすぐことも忘れないでください。
⑤慎重に入れ歯の取り外しを行う
入れ歯は、ちょっとした衝撃でも割れたり変形する可能性があるため、取り外しや装着の際は慎重に扱う必要があります。シンクや洗面所の上で入れ歯を扱う際は、シンクに水を張っておくと、万が一落としてしまった時でも破損を防ぐことができます。
⑥専用のケースに保管する
入れ歯を使わない時は、専用のケースに保管することをおすすめします。清潔な専用ケースを使い、乾燥しないように水や洗浄液に浸けておくと、入れ歯を長持ちさせることができます。また、ケース内の水を定期的に交換し、入れ歯が雑菌に触れないように心がけましょう。適切な保管方法を取ることで、入れ歯の劣化や黒ずみの予防することができます。
入れ歯の黒ずみは、日々の正しいお手入れと専用の洗浄剤を使ったケアがを行うことで予防することができます。また、入れ歯を正しく取り扱うことで、きれいな状態を保つことができ、歯の健康も守ることができます。定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。
福島市で入れ歯の不具合や汚れが気になる際は、ファミリーとシニアの歯科医院 イオン福島診療所にご相談ください。
監修
ファミリーとシニアの歯科医院 イオン福島診療所
院長・歯科医師 山下 敬太